HIV/AIDS関連情報

2006年12月11日(月) カトリック教会でコンドームが議論に

 「性感染症の予防にコンドームを使いましょう」、日本では聞き飽きた言葉で、実行できるかどうかは別にして、コンドームの有用性を疑問視する人はいないでしょう。しかしながら、世界には宗教的な理由からコンドームが使えない人たちがいます。

 敬虔なカトリック教徒がそれに該当し、カトリック教会は現在も公的にコンドームの使用に反対しています。しかし、最近カトリック教会の幹部のなかにもコンドームの使用を限定的に許可するべきだと考える人が登場してきているようです。現在バチカン宮殿で開かれている感染症関連の会議でコンドームの使用が議論に上がっており、それを11月23日のBBC NEWSが報道しています。

 ミラノの元大司教を含むカトリック教会の幹部数人が、カトリックの教義の変更を検討すべきであるとコメントしているようです。ただし、その適用は、「夫婦のどちらかがHIVに感染している場合に限られる」という条件が付与されます。

 カトリックの教義では、性行為は結婚している夫婦間のみに認められており、それ以外は禁欲をしなければなりません。この教義自体の変更が議論されているわけではなく、部分的なコンドームの使用に賛成の立場にいる大司教も、「協会が自由な性行為を奨励しているわけではない」というコメントも合わせて発表しています。

(谷口 恭)