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2006年11月9日(木) バンコク、休暇中の少女売春急増

 GINAがおこなったタイのフリーの売春婦に対する意識調査では、売春婦の大半がイサーン地方や北部の貧困地域の出身であり、売春の最大の原因が「貧困」であるとの結論がでました。しかし、首都バンコクの10代の少女たちは貧困とは別の理由で売春をおこなっているようです。先月の長期休暇の間に少女たちの売春が急増したことを11月3日のBangkok Postがまとめていますのでご紹介いたします。

 少女たちの売春目的は、オンラインゲームに参加したり、新型の携帯電話などの贅沢品を購入したりするためであることが研究者の調査で明らかとなりました。

 「児童・未成年・女性犯罪制圧室」(CCSD, Crimes against Children, Juvenile and Women Suppression Division)によりますと、先月の長期休暇中、12歳の少女までもが売春をしていたことが分かりました。少女たちは主にバイクタクシーのドライバーに顧客を斡旋してもらっています。友達と共に顧客を探す少女もいれば、なかには自分のボーイフレンドと結託して顧客を見つける少女もいるそうです。少女たちの両親のなかには、娘が失踪したと思い警察に捜査願いを出し、警察に保護される少女もいるとのことです。

 CCSDの調査では、少女たちは1,500バーツから3,000バーツ(約4,500円から9,000円)で身体を売っています。逮捕された13歳のひとりの少女は、最新型の携帯電話が欲しくて売春をおこなった、と供述しているそうです。

 タイが、売春が盛んな国であることは事実でしょうが、タイは売春を禁じている国です。売春行為で起訴されると、3年から15年の禁固刑、もしくは6,000バーツから30,000バーツの罰金(約18,000円から90,000円)、あるいはその両方が科せられることもあります。これは自由売春であっても、です。

 CCSDは他の関連機関と協力して、この問題への対策を講じ、次の長期休暇までに解決を図りたいとコメントしています。

 タイの携帯電話は安いものは1,500バーツ(約4,500円)程度で購入できますが、高価なものは20,000バーツ(約6万円)以上もします。タイの大卒の初任給はおよそ1万バーツ(約3万円)前後です。にもかかわらず、街を歩いている女子中学生や女子高生の多くが最新型の携帯電話を持っていることに驚きます。疑いたくはありませんが、彼女たちも売春をしているのでしょうか・・・。

(谷口 恭)