HIV/AIDS関連情報

2006年11月7日(火) ネパールの薬物中毒者の間でHIV感染が急増

 適切な予防対策が取られていないことから、ネパールの薬物中毒者の間でHIV感染が急増しているようです。10月30日のCHINA DAILYがそれを報道していますのでご紹介いたします。

 「薬物中毒者のHIV/AIDS予防プログラム(National advocacy program for prevention of HIV/AIDS on the issue of injecting drug users)」と題されて28日にカトマンズで開催された研究会で、NCASC(National Center for AIDS and Sexually Transmitted Disease Control、エイズ・性感染症国民管理センター)の代表者Mishra氏は、「現在のネパールのエイズ対策の問題のひとつは予防対策が充分にできていないことである」と述べました。

 NCASCによりますと、薬物中毒者のHIV陽性率は32.7%にものぼるそうです。一方、売春婦の陽性率は3.8%です。ネパール全土での薬物中毒者は30,000人から35,000人で、そのうち12,000人から15,000人がすでにHIVに感染しているそうです。

 この研究会で外務副大臣のOli氏は次のように述べています。

 「薬物中毒者の間でHIV感染が急増していることはネパール社会の危機というだけではなく深刻な政治問題でもある。予防対策だけでは不充分だ。我々は治療にも力を入れていかなければならない」

(谷口 恭)