HIV/AIDS関連情報

2006年11月6日(月) 北京、ゲイ専門クリニックが誕生

 2004年に中国で初めて公表されたゲイの人数は500万人から1,000万人です。そして、青島(チンタオ、Qingdao)大学のZhang Beichuan教授によりますと、成人ゲイのHIV陽性率はおよそ1.5%だそうです。

 2004年2月に、深?(Shenzhen)と南京(Nanjing)でゲイ専門クリニックが設立されましたが、今年の10月26日には、北京でも新たにゲイ専門クリニックが誕生しました。これについて10月28日のCHINA DAILYが報道していますのでご紹介いたします。

 このクリニックは、ひとつのボランティア団体(朝陽エイズボランティアグループ、Chaoyang Chinese AIDS Volunteer Group)、ひとつのNGO(AIDS prevention organization)、そしてひとつの行政機関(朝陽疾病管理局、Disease Prevention and Control Center of Chaoyang District of Beijing)が協力して設立されるにいたりました。

 このクリニックを受診するには、事前に朝陽エイズボランティアグループのウェブサイトにログインして申し込みをおこなわなければなりません。受診者は匿名で検査を受けることができプライバシーは守られます。受診者にはクリニックまでの交通費として50元(6.3ドル、750円)相当の携帯電話のカードが支給されます。

 このクリニックでは性感染症の検査を無料で受けることができます。具体的には、HIV、梅毒、淋病、性器ヘルペスの検査が無料で受けられ、さらにエイズ以外の性感染症は治療費も無料です。HIV陽性と診断されれば、国の無償プログラムに入れられ、定期的な検査を無料で受けることができます。

 現在中国では31の省の623の地域で25,000人が無償でエイズの治療を受けています。また、14の省では15歳以下の516人のHIV陽性者に特別の治療がおこなわれています。

 保健省によりますと、中国は過去3年間で約2億8,800万元(約3,600万ドル、約43億円)を投入し、抗HIV薬の無償供与をおこなっています。これはエイズ対策費の14.3%を占めています。

(谷口 恭)