HIV/AIDS関連情報

2006年11月1日(水) 献血時のHIV検査で過去最高の陽性率

 日本は、全体の総数はまだ少ないものの着実にHIV陽性者が増加している国ですが、それを裏付けるようなニュースが10月31日に読売新聞社により報道されています。

 献血された血液のHIV検査で、昨年17年ぶりに減少した陽性率が今年上半期に増加に転じ過去最高となったことが厚生労働省のまとめでわかり、31日に開かれた同省薬事・食品衛生審議会血液事業部会で報告されました。

 同省血液対策課は、「感染を知らずに献血した人が増加しているのではないか。医療機関などでの検査体制を充実させる必要がある」としています。

 上半期の献血件数約248万件のうち、HIVが検出されたのは48件(うち女性3件)。10万件当たりの陽性率は1.935で、昨年1年間の1.466を大きく上回りました。

 昨年陽性率が下がったのは、献血前の問診が功を奏したからであろうと言われています。今回、再び陽性率が上昇したのは、昨年と同様の徹底した問診がおこなわれたものの、献血者のHIV感染に対する危機感が小さく、コンドームを用いない性行為(unprotected sex)を危険だと考えていない人が多いことが原因ではないかとみられています。

 性行為の経験のある人は皆、HIVに感染している可能性は0ではないということです。

(浅居 雅彦)