HIV/AIDS関連情報

2006年10月5日(木) ヨーロッパでは4割以上が危険な性行為

 先進国では軒並みHIVの新規感染が減少している・・・、そんなことが言われていたのはもう昔のことのようです。

 EU加盟国でおこなわれた調査で、国民の40%以上がHIVの予防をせずに危険な性行為をおこなっていることが分かりました。

 この調査は昨年の9月と10月に、15のEU旧加盟国と10の新加盟国の15歳以上のおよそ25,000人を対象におこなわれたもので、結果は10月2日のロイター通信が報じています。

 「性交渉でHIVの予防をしているか」という質問に対して、41%が「していない」と答え、「している」と答えたのは48%でした。

 コンドームについては、旧加盟国では42%が使用していると答え、主に東ヨーロッパから成る新加盟国では使用していると答えたのはわずか34%です。

 旧加盟国では、2002年の調査結果と比較すると、コンドームを用いた安全な性行為をしている人が減少しています。

 EUの保健関係者のMarkos Kyprianou氏は言います。

 「HIVは予防できる疾患であることを忘れてはならない。予防がおろそかになってきていることに私は強い懸念を感じている」

 最近のUNAIDSのデータによりますと、西ヨーロッパのHIV陽性者はおよそ50万人で、その数は増加傾向にあります。

 この調査ではHIVに関する知識も問うています。45%が眼鏡の共用、便座に座る、献血をするなどといった理由でHIVに感染すると答えています。

 特に新加盟国で誤った理解をしている人が多く、スロバキア人の47%がキスでHIVが感染すると答え、リトアニア人の28%は眼鏡を共用することで感染すると答えています。

(谷口 恭)