HIV/AIDS関連情報

2006年10月10日(火) 50人以上のタイ女性にHIVを感染させたドイツ人

 少し古い話ですが、タイ女性と西洋人男性の性交渉におけるHIV感染に関して非常に興味深い記事が、2005年11月25日のThe Nation(タイの英字新聞)で取り上げられていますのでここにご紹介いたします。

 54歳の片足を失ったHIV陽性のドイツ人が、なんと50人以上のタイ女性にHIVを感染させたそうです。彼はチャイヤプーム県で逮捕されドイツに強制送還されることになりました。

 この記事では、「黒い帽子からうさぎを取り出すようなマジック」という比喩を使っていますが、片足を失った状態で海外に渡航するだけでも大変なのに、相手が売春婦であったとしても、性行為をおこない、なおかつ自分のHIVを感染させるのは相当むつかしいことだと思われます。それも感染させたタイ女性が50人以上といいますから驚きます。

 仮に性交渉での男性から女性へのHIVの感染率が1%だとすると(教科書的にはだいたい1%です)、50人にHIVを感染させるには、5000人以上の女性と性交渉をおこなわなければなりません。

 この記事の信憑性は定かではありませんが、逮捕され自国へ強制送還されたことは客観的な事実でしょうから、完全なデマではないと思われます。

 自国の女性に対して同じことをしても決して許されるべきではありませんが、タイに来てこれほどの犯罪をおこなったということに対して、私は同じアジア人として強い憤りを感じます。

(谷口 恭)